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令和3年(2021年)3月26日参議院予算委員会が開催されました。議題は、令和3年度一般会計予算、令和3年度特別会計予算、令和3年度政府関係機関予算の三案です。この日は締めくくり質疑で、委員会で採決後、参院本会議に緊急上程し、令和3年度予算が成立しました。質問は、約20分間行いました。
下のテーマをクリックすると、そのテーマの質疑・答弁の該当箇所にとびます。
なお、正式な議事録については、国会会議録検索システム(国立国会図書館HP)をご参照ください。
【質問事項】
1.東京オリンピック・パラリンピック
(1) 各国の参加を促す観点からの情報提供、相談体制の整備
(2) 各国の参加を促す観点からの情報発信
2.新型コロナウイルス感染症
(1) 変異株の国内への流入・感染防止対策
(2) 多くの方にワクチン接種を受けてもらう方策
(3) 中小企業、小規模企業、地域の産業を守る方針
(4) コロナの中、地方への人の流れを促進すべき
(5) 今後のコロナ対策に臨む政府の方針、また、地方活性化への決意
1 .東京オリンピック・パラリンピック
(1)各国の参加を促す観点からの情報提供、相談体制の整備
山田
自由民主党の山田修路です。令和3年度予算の締めくくり質疑なので、これまでの本委員会での議論について、改めて政府の方針を伺いたい。
昨日、聖火リレーもスタートした。そして、政府や組織委員会、JOC、東京都など、現在様々な検討や準備がそれぞれの機関で行われている。自民党では、参議院議員が手分けをして各国の大使館を回り、選手を派遣していただくよう要請活動を行っている。昨日の時点で、49カ国の大使館を訪問した。
私も今週月曜日にフランス大使館を訪問し、大使に会いました。フランスは、2024年にパリで、次のオリンピック・パラリンピックを予定しており、大使も東京大会への参加について大変熱意を持っていた。
一方で、コロナ禍の中で選手や要人を日本でどのように受け入れたらよいのか、また、ホストタウンとの関係など、参加国側の様々な課題も伺った。そこで感じたことだが、各国への情報提供と我が国の相談の体制が重要だと思う。各大使からは、丸川大臣にも直接お会いをして様々な情報いただきたいとの話もあった。各国の関係者が安心して参加できるように政府としてどのように対応していくのか、丸川大臣に伺いたい。
丸川 珠代 東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当大臣
昨日(令和3年3月25日)、聖火リレーが無事に福島のJヴィレッジをスタートして、これから120日間、希望のともしびとして全国を巡ることになっている。ここまで御尽力をいただいた皆様にこの場をお借りして改めて感謝を申し上げたい。
また、自民党参議院の皆様には、機運醸成に御尽力をいただいていること、心から敬意を表したい。
情報発信についてまだまだ至らない点があるという指摘だった。IOCから、また組織委員会とともに積極的に情報発信をお願いしているところだが、外国の観客の方を断念したその先の細かいロジスティクスは、完全に決まっていないところもあり、また変更し得るところもあるので、十分に質問に答え切れていない部分もある。決まり次第、できる限り速やかに丁寧に説明を努めていきたい。これからも東京都また組織委員会とも連携をしながら情報発信に努めていきたい。
1 .東京オリンピック・パラリンピック
(2)各国の参加を促す観点からの情報発信
山田
総理は、コロナ禍の中で要人と会われる機会も少なくなっていると思うが、是非、各国の要人に対して、参加を促すなど情報発信をしていただきたい。この点をいかん。
菅 義偉 内閣総理大臣
参議院の皆さんにそれぞれ御要請いただき、ありがとうございます。
東京大会については、政府として、東京、組織委員会、IOCなどと緊密に連携して準備を進めてきており、その準備状況については、在京外交団への説明会の機会などを通じて外国に対して情報提供を行っている。
また、私自身は国連総会の国際会議や各国首脳との会談の機会を通じて、今年の夏、安全、安心な大会を実現する決意を繰り返し発信してきた。例えば、これに対しては先月、G7の首脳テレビ会議の中で、G7の首脳全員の支持を得ることができた。
政府として、更に情報の発信を行って、東京大会を成功させたいと思う。
山田
大使館では、組織がいろいろあって分かりにくいという話もあった。各国の方々が気持ちよく安心して参加できるように、積極的な情報発信と、各国へのきめ細やかな対応をお願いしたい。
2 .新型コロナウイルス感染症
(1)変異株の国内への流入・感染防止対策
山田
緊急事態宣言は3月21日に解除された。しかし、新規感染者数が増加し、また変異株への不安もある。宣言解除後の対応について5つの対策が決定された。これをしっかりと進めていくことが国民の安全、安心につながると思う。
「変異株」について。変異株は、感染力が強く、重篤化する懸念もある。変異株の国内への流入、感染拡大防止の対策について、田村厚生労働大臣に伺いたい。
田村 憲久厚生労働大臣
感染力の問題、重症化の問題、さらに免疫に影響があるのではないか、様々な可能性が言われている。
まず、水際対策をしっかり対応していかなくてはいけない。基本的には、国内に入る前に72時間以内に検査をしていただき、国内へ入ったときに検疫で検査、さらに変異株がはやっている地域から来られた方々は、滞在いただいたホテル等で3日後にもう一回やっていただく。そして、入国から2週間は公共交通機関等々を使わないことを誓約書に書いていただいた上で、その2週間は自宅で滞在してもらう。それに関しても、フォローアップセンターをつくり、日々連絡を取って健康観察を含めてやっていく。
更に強化ということで、例えばアプリ等々を入れていただいてGPSで位置確認をさせていただく。それから、アプリの中で、毎日画像で連絡を取らせていただいて、本当にそこにいていただくのかということも確認をさせていただく。そこで、3日間行方不明になれば、民間の警備会社と契約して、駆け付けてもらい状況を把握してもらう。今、順次体制を整備している最中である。このようなことで、水際対策をおこなう。
それから、継続的に今各地域で変異株が出てきているので、感染者の方々のスクリーニングを強化しなくてはいけない、今まで5%~10%、47都道府県でお願いをいたしておりましたが、これをできる限りやっていただく。陽性患者の方々の検体の40%までスクリーニングをするめどが立ちつつある。これが実現できれば、民間の検査機関等々にもお願いして更にこれを広げていこうと思うが、まずは40%を目指させていただきたい。
そして、見付かったら積極的疫学調査で、それ以上の感染のルートが広がらないように囲い込んでいく。このようなことで感染拡大を遅らせるといった対応を取らせていただいている。
2 .新型コロナウイルス感染症
(2)多くの方にワクチン接種を受けてもらう方策
山田
ワクチンの確保あるいは配布についても様々な課題があるが、国全体としてワクチンが効果を上げていくためには、多くの国民の方にワクチンを接種してもらうことが大変重要である。ワクチンの接種を促すことについて、河野新型コロナウイルスワクチン接種担当大臣に伺いたい。
河野 太郎 新型コロナウイルスワクチン接種担当大臣
最近の世論調査を見ていると、ワクチンの接種を希望する方の割合が増えてきている。そのような意味で、政府としては正確な情報を的確に国民の皆様にお知らせをすることで接種を促していきたい。
また、若い世代の方々にもワクチン接種を受けていただきたいので、現役世代の順番になったら、積極的にSNSなどを使って広報に力を入れていきたいと考えている。
山田
変異株やワクチン接種は、国民の関心が高い事柄なので、しっかりと対応をお願いしたい。
2 .新型コロナウイルス感染症
(3)中小企業、小規模企業、地域の産業を守る方針
山田
コロナ禍の中で、観光関連産業や外食産業、多くの中小企業、小規模企業の皆さんが苦しい状況にある。補正予算や当初予算で様々な対応をしているが、中小企業、小規模企業、地場の地域の産業を守っていくために、どのように対応するのか、梶山経済産業大臣に伺いたい。
梶山 弘志 経済産業大臣
観光関連産業や外食等の産業は、緊急事態宣言が発令されていた地域で外出が自粛された結果、依然として厳しい状況が続いている。緊急事態宣言が発令されていた地域外であっても、年末年始の帰省や旅行の取りやめが増加したことにより、中小企業・小規模事業者を中心に大変厳しい経営環境にあると承知している。
こうした中小企業・小規模事業者の事業継続を支えることは大変重要であり、このため様々な支援を措置している。具体的には、緊急事態宣言再発令に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出、移動の自粛により影響を受けた事業者に対し、法人60万、個人事業者30万を上限に一時支援金を支給しております。また、アフターコロナ、ウイズコロナの経済社会の変化に対応するため、中小企業等の思い切った新分野展開、業態転換を事業再構築補助金により最大一億円支援をしてまいります。実質無利子無担保融資の上限引上げや、政府系、民間、政府系、そして民間金融機関に対する累次の配慮要請等実施してきているところである。
他省庁の政策も含めて周知を図り、そして様々な政策を通じてコロナ禍で厳しい状況に置かれた事業者を支えていきたい。
2 .新型コロナウイルス感染症
(4)コロナの中、地方への人の流れを促進すべき
山田
コロナ禍の中でリモートワークが進んだこともあり、東京圏から地方への人の流れが見えている。地方創生という点から、今こそ政府を挙げて地方への移住など「地方への人の流れ」をつくっていくことが非常に大事である。
坂本地方創生担当大臣に「地方への人の流れ」をつくることについての取組を伺いたい。
坂本 哲志 地方創生担当大臣
今般のコロナ禍の中で、昨年7月から東京からの人口の転出が超過をするようになった。先月の2月も1600人ほど超過しているので、これで8か月連続転出超過になる。この流れをしっかりと受け止めていきたい。
内閣府では、情報発信サイトとして「いいかも地方暮らし」というサイトを開設した。一方で、テレワークの交付金百億円を組み、それでサテライトオフィスを充実してもらう。あるいは移住者にテレワークで仕事をするための環境を整えることをやってきた。
石川県でも、移住と就職をワンストップで支援する「いしかわ就職・定住総合サポートセンター」を設置して積極的に移住を推進しており、有難く思っている。
このような取組の一方で、プロフェッショナル人材を地方に送り込み、そして地域の地も供給することによって、地方経済を活性化させ、職の範囲を広げるという取組もしている。
各省庁連携を取り、経済界の協力も得ながら、しっかりと移住、定住構想を現実のものにし、東京圏の一極集中を是正し、地方分散型の社会をつくり上げていきたい。これからも提言をお願いいたしたい。
2 .新型コロナウイルス感染症
(5)今後のコロナ対策に臨む政府の方針、地方活性化への決意
山田
コロナ関係の対策は、国が直面する非常に重大な問題である。政府が総力を挙げて取り組んでいただきたいが、総理の決意を改めて伺いたい。
また、地方の活性化は総理のライフワークと思うが、地方活性化に向けた思いも改めて伺いたい。
菅 義偉 内閣総理大臣
新型コロナとの闘いが始まってもう一年。政府としては、国民の命、暮らしを守るために全力で取り組んできた。特に、先般の緊急事態宣言では、ピンポイントに的を絞って対策を講じた結果、約8割以上感染者数が解除時には減少していることも結果として出ている。しかしながら、また現在、新規感染者数が地域によって増加しており、感染の再拡大に強い警戒感を持って全力で取り組んでいきたい。
今、地方の移住の話もあった。東京都で地方へ転出する方が8か月連続増えていることも事実である。地方に関心が高まっているこの機会を捉えて、転職・移住の支援、テレワークの促進など、地方にいても東京と同じ、都会と同じように仕事・生活ができる、そのような環境をつくっていただき、地方へ多くの方が興味を持って、転出してもらいたい。
山田
この予算は大事な内容を含んでいるので、成立の暁には早期に実施に移していただきたい。このことを最後にお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。