平成29年5月25日 農林水産委員会

5月25日 農林水産委員会が開催されました。議題は、農村地域工業等導入促進法(農工法)改正ですが、北朝鮮のミサイルや、ハノイで開催されたTPP閣僚会議、鳥獣被害についても質問しました。
下のテーマをクリックすると、箇所にとびます。
なお、正式な議事録については参議院ホームページ「会議録情報」をご参照ください。


【質問事項】
1.北朝鮮のミサイル発射
(1).北朝鮮のミサイル発射に関連し、水産庁は、海上保安庁と連携して、いざというときに対応できる体制(海上での情報連絡体制と船舶の配備)を整備すべきではないか。

2.TPP関係
(1).5月21日に行われたTPP協定閣僚会議の成果いかん。
(2).米国との間での2カ国交渉を行うのでなく、TPP協定の早期発効をめざし、米国のTPP協定への参加を促すべきと思うが、どうか。
(3).米国を除いてTPP協定の発足を目指す場合、米国の存在を前提とした内容の修正が、今後、各国で議論されることになろうが、農林水産業分野などで我が国が不利益を被らないよう、我が国としても必要な措置を確保すべきだが、どうか。

3. 農工法関係
(1).これまでの農工法の実績及び評価いかん。
(2).これまで業種を限定していた理由いかん。
(3).今回業種を限定しないこととした理由いかん。 
(4).今後、農村地域でどのような産業の導入を想定しているのか。
(5).基本計画及び実施計画で「公害の防止に関する事項」を義務的記載事項から除外することとしているが、理由いかん。
(6).農村環境の維持は重要であり、国の定める基本方針などで、環境の保全について記載すべきではないか。
(7).義務的記載事項として、「農業従事者の就業の目標」と「農業構造改善の目標」を加える理由いかん。
(8).造成を行った農村工業団地のうち、企業が立地していない用地、いわゆる「遊休工業用地」は、1400ヘクタールに達しているといわれるが、何故このように多くの遊休用地が残っているのか。今後、どのように活用していくつもりか。
(9).農工地区を設定する上で、優良農地の確保をどのように行っていくのか。
(10).地域未来投資促進法において、優良農地の確保はどのように行っていくのか。

4.鳥獣害対策
(1).鳥獣による農産物の被害はどうなっているのか。被害の状況に地域差があるのか。
(2).鳥獣被害防止対策の取り組みいかん。


 

1.北朝鮮のミサイル発射
(1).北朝鮮のミサイル発射に関連し、水産庁は、海上保安庁と連携して、いざというときに対応できる体制(海上での情報連絡体制と船舶の配備)を整備すべきではないか。

山田
北朝鮮のミサイル発射実験が続いている。北朝鮮のミサイル発射実験の脅威を一番身近に感じているのが漁業に携わっておられる方だ。実験でもミサイルやその関連の落下物が日本のEEZ(排他的経済水域)の中に現実に落下をしているので、その意味では、漁船の乗組員の方々はミサイルの危険と隣り合わせで生計を立てている。
私の地元の石川県は、能登半島が日本海に突き出しているので、特にその危険を感じる。地元の方々からは以下のような要望が出ている。「漁船あるいは漁業者の安全確保、そして具体的には、情報連絡体制を構築してほしい。そして水産庁や海上保安庁の船舶の配備をお願いしたい。日本海には好漁場である大和堆といわれる場所がある。ここは日本のEEZの境界に近く、逆に言えば日本列島から遠いところであり、特に連絡体制がうまく取れるか心配であり、水産庁や海上保安庁の船舶に身近にいてもらいたい。」ということだ。
私も水産庁で勤務をしていた2009年の4月に、北朝鮮が日本列島を横断する形でミサイルを発射した。その時は実験用の通信衛星を打ち上げるということで、北朝鮮側が1ケ月ぐらい前に公表したのだが、その時は時間的余裕があったので、水産庁では各漁船がどこで操業しているか、連絡がすぐ取れる体制をつくっており、実際にミサイルの打ち上げがあったときは、極めて短時間に安否を確認することができた。
しかし、今の状態は、予告もなく突然、そして頻繁にミサイルの打ち上げがある。漁業者の要望にあるように、情報連絡体制の確立、また水産庁、海上保安庁の船舶の配備をして、漁業者の安全、安心を確保してもらいたい。石川県の漁業の方々は、家族から行かないでくれと引き止められる中で、出漁せざるを得ないという状況である。検討を願いたい。

佐藤一雄水産庁長官
本件については今月19日に、石川県の漁業協同組合と石川県の関係者の皆様方が来庁され、石川県の漁業者の皆さんが近海だけではなく大和堆にも出漁するので、①安全確保とミサイル発射の阻止、②安全確保のための海上での情報連絡体制の構築、③大和堆での水産庁及び海上保安庁等の船舶配備について直に要望を伺った。
水産庁としては、これまでも関係省庁と連携して、ミサイル発射に関する情報を受けて、漁業無線局、都道府県及び漁業団体に対して関係漁船に対する情報提供等を内容とする漁業安全情報を発出している。また、発射した後は関係漁船の安否確認を行っており、引き続き迅速な情報提供等に努めていく。
取締り船の配備について具体的に言及をすることは差し控えるが、日本海については重点的に取締りを行う必要がある海域と認識しており、取締り船の配備に努めている。万が一、漁船に不測の事態が生じた場合には、取締り船が現場に急行するなど、漁業者の方が安心して操業できるよう、今後とも連絡体制を密にするとともに、引き続き海上保安庁との連携にも努めていきたい。

山田
ありがとうございました。水産庁の姿勢が漁業者には心強く聞こえるので、是非しっかりと対応することをお願いしたい。


 
2.TPP関係
(1).5月21日に行われたTPP協定閣僚会議の成果いかん。

山田
5月21日にベトナムのハノイでTPPの11ケ国の閣僚会合が開かれた。私もハノイに出かけていたが、各国の意見の隔たりがあって共同声明の取りまとめには相当苦労をしたと思う。今回の大臣会合についての成果について伺いたい。

澁谷和久内閣官房内閣審議官
5月21日、ハノイでTPP閣僚会合が開催をされた。11ケ国で議論をしたが、11ケ国の結束が重要であるとともに、モメンタムを維持する必要があることで一致をし、閣僚声明を発出するに至った。
閣僚声明の内容は、①出席した各国がTPPの戦略的、経済的意義を再確認した上でTPPの早期発効を追求すること、②そのためにアメリカの参加を促進する方策も含めた今後の選択肢の検討を事務方、政府高官に指示すること、③選択肢の検討は11月のAPEC首脳会談、首脳会合までに完了させること、という内容が盛り込まれた。また、我が国のイニシアチブを期待している国も多くあり、7月に日本で首席交渉官クラスの高級事務レベル会合を開催することが決定された。
今後、この閣僚声明に沿って、11ケ国の結束を維持しながら、TPPの早期発効のための具体的な方策を検討していくこととなる。我が国が持つ求心力を生かしながら各国と緊密に連携して、11月に向けた準備を進めていきたい。

山田
ありがとうございました。


 
2.TPP関係
(2).米国との間での2カ国交渉を行うのでなく、TPP協定の早期発効をめざし、米国のTPP協定への参加を促すべきと思うが、どうか。

山田
日本とアメリカの間では、現在、日米経済対話で麻生副総理とペンス副大統領がヘッドとなり、対話を進めることになっている。一方で、ロス商務長官やライトハイザーUSTR通商代表が、日米の2国間での交渉を行うべきとの考えも伝わってきている。
仮の話であるが、日米2国間協議を開始することになった場合は、アメリカは様々な要求をしてくると予想される。TPP以上の要求も求めてくる可能性が否定できない。日米の2国間での交渉は拒否をして、TPP協定、11ケ国か12ケ国か、とにかくTPP協定の早期発効を実現し、アメリカがこの協定に復帰をするよう促進をすることが大事だと思うがいかがか。

澁谷和久内閣官房内閣審議官
ハノイで発出された閣僚声明の中でも、原署名国の参加を促進する方策も含めた今後の選択肢を検討すると書いてある。アメリカの参加を促す方策についても引き続き検討していくことになっている。日米経済対話などの場も含めて、我が国としても、TPPの戦略的、経済的意義について引き続き米国に対して説明を行っていく。
ハノイでの閣僚会合において、石原大臣から、我が国として11ケ国とアメリカとの橋渡し役を担っていく考えであると発言をしたところであり、その発言に対して多くの国から感謝の言葉が寄せられた。我が国として、各国のそのような思いも踏まえて適切に対応していきたい。

山田
ありがとうございます。


 
2.TPP関係
(3).米国を除いてTPP協定の発足を目指す場合、米国の存在を前提とした内容の修正が、今後、各国で議論されることになろうが、農林水産業分野などで我が国が不利益を被らないよう、我が国としても必要な措置を確保すべきだが、どうか。

山田
今のTPPの協定は、当然、アメリカの参加を前提とした内容が盛り込まれている。このTPP 11、あるいはもっと少ない国で行う場合は、アメリカの参加を前提とした内容が修正されるべきか否か、議論されることになる。仮定の話であるが、これはルールの分野だけでなく、市場アクセスにもそのような問題があるのではないか。このような見直しの作業が行われる場合には、農林水産業の分野で我が国が不利益を被るということのないように対応していく必要があると思うがいかがか。

澁谷和久内閣官房内閣審議官
まず、ハノイでの閣僚声明では、ハイクオリティー、質の高い合意内容を実現するということが明記されている。TPPで合意された高いレベルを維持しつつ、選択肢の検討を行っていくことが共通認識である。その上で、今後の具体的な選択肢については、これから議論が本格化していくところである。日本で7月に開催される事務レベルの会合で、本格的な議論がスタートすると考えている。
ほかの委員会でも同様の指摘をされているところで、農林水産業への影響に対して心配される声にも十分配慮し、農林水産省等関係省庁ともよく連携しながら対応していきたい。

山田
この点について、山本農水大臣にも伺う必要がある。まさに、TPP 11あるいはもっと少ない国での合意の場合に、アメリカを前提とした内容の見直しが行われるかどうか。TPP 11を進めていく際に、日本の農林水産業が不利にならないよう対応していただきたい。

山本有二農林水産大臣
農林水産省としては、TPPの今後の選択肢の検討に関して、米国の出方や影響も注視しながら、我が国の農林水産業を守っていく上で何が望ましいかという観点から、農林水産物のセンシティビティーを十分に踏まえつつ、政府として対応していく必要があると考えている。内閣官房と緊密に連携して対応していきたい。

山田
しっかりお願いしたい。


 
3.農工法関係
(1).これまでの農工法の実績及び評価いかん。

山田
農工法(農村地域工業等導入促進法)は昭和46年に制定をされた。私は50年代前半に、この法律を所管していた農林省の構造改善局就業改善課で仕事をしており、非常に懐かしい法律である。
昭和46年の制定当時は、米の生産が過剰になっており、大規模な農業、生産性の高い農業を育成していく一方で、大都市周辺では工場等が非常に過密になっている状況があった。このような中で農工法が制定されたのだが、この実績と評価について伺いたい。

礒崎陽輔農林水産副大臣
農工法は昭和46年に制定された。それ以降、平成25年度末まで、19,414ヘクタールに立地済み、8,921社の操業、61万6千人の雇用が生み出された。評価としては、平成27年に行ったアンケートによると、市町村から雇用機会の増大、農村からの人口流出の防止に資したものと評価されている。
農業構造の改善の観点から見ると、平成26年3月時点で、都府県において、農工実施計画を策定していない市町村の担い手への農地集積率が30%であるのに対し、農工実施計画を策定している市町村では約40%となっており、農業構造の改善の面においても一定の成果を上げたと考えている。

山田
ありがとうございます。農工法が農業構造の改善にも役立っているという話があった。


 
3.農工法関係
(2).これまで業種を限定していた理由いかん。

山田
昭和46年の制定当時には、対象の業種は工業に限定されていた。その後、昭和63年の改正では、工業に加えて、道路貨物運送業など4業種が追加をされた。このように、これまで業種を限定して推進していた理由を伺いたい。

佐藤速水農林水産省農村振興局長
昭和46年当時は、国土の均衡ある発展の観点から、太平洋ベルト地帯以外の地域への工業再配置の政策が講じられていた。また、農業、農村サイドからは、農業の構造改善を図る必要があった。
そのような時代背景の下に、農工法は、労働集約的であって、現に農業から転職する方の割合が最も高い、しかも農業従事者の雇用の確保に資する産業ということで工業を農村地域に導入することで、農業と工業との均衡ある発展を図ることを目的として制定された。その後、同様の考え方に基づき、昭和63年に、農村地域での就業機会の一層の増大を図る観点から、対象業種を現行の5業種に拡大した。
農工法の対象業種は、その時々の産業の事情や農村の現状を踏まえて、農業従事者等の雇用の確保に資するものであり、農工法の目的である農業と導入産業との均衡ある発展を図る上で適切なものが定められてきた。


 
3.農工法関係
(3).今回業種を限定しないこととした理由いかん。 

山田
今回は業種を限定せず、産業一般とすることとした。これは、今までとは考え方が大きく変わっているということだと思う。なぜ、今回、産業一般にしたのか、理由を伺いたい。

佐藤速水農林水産省農村振興局長
農工法の対象業種は、工業等5業種に限定されてきた。しかし、現在は、産業構造が変化して全就業者に占める工業等の就業者数のウエートが低下している状況にある。他方、農村では高齢化や人口減少が進展しており、地域コミュニティーの維持などにも影響が見られるようになってきている。
そうした中で、農村地域の様々な農業者、地域住民が引き続き地域で住み続けられるようにするためには、農業を魅力ある産業にするとともに、農業以外の選択肢を幅広く用意することにより、就業機会の一層の創出と所得の確保を図ることが課題であることを踏まえて、農産物直売所など地域に賦存する資源を活用した、言わば、地域内発型産業や福祉・介護サービスといった立地ニーズの高い業種の立地導入が可能になるように、今般、対象業種の限定を廃止することにした。


 
3.農工法関係
(4).今後、農村地域でどのような産業の導入を想定しているのか。

山田
地域、地方の活性化の議論では、地域内発型の産業を促進することが地域活性化にとっても継続性があり、非常に有効である議論がよく聞かれる。具体的に農村地域でどのような産業の導入を想定しているのか、具体的に伺いたい。

矢倉克夫農林水産省大臣政務官
導入される産業について、地域の農業者の安定した就業機会が確保でき、産業の導入に伴う土地利用調整により農地保有の合理化が図られるなど、農業と導入産業との均衡ある発展が図られるものについて、市町村が地域の実情を踏まえて判断をし、実施計画に定めることになっている。
具体的にどのようなものが想定され得るか。農産物直売所や農家レストラン、農泊関連施設など、地域資源を生かした地域内発型産業、また、福祉・介護サービスなど立地ニーズの高い業種の立地導入が想定されている。平成28年12月に農工法の対象となる1,287市町村にアンケートを行った。実施計画済みの732市町村のうち、過去5年以内に129の市町村が、現行の5業種以外の業種として、木質バイオマス発電等の電気業や農産物直売所等の小売業等についての立地の紹介があった。これらを踏まえ、地域内発型の産業なども含まれると想定している。

山田
これから農工地区が地域の活性化にも役立つ形で、そのような持続的な産業を興していく、導入をしていくことでやっていっていただきたい。


 
3.農工法関係
(5).基本計画及び実施計画で「公害の防止に関する事項」を義務的記載事項から除外することとしているが、理由いかん。

山田
第4条の基本計画、そして第5条の実施計画の中で、公害防止に関する事項を今回、義務的記載事項から除くことにしている。法律制定当時は、公害は大変大きな社会的問題であった。その注目度は確かに減少しているとは思うが、地球環境問題など、公害防止が環境を守っていくことは非常に大事な要素である。
義務的記載事項からこの公害防止を除外する理由について伺いたい。

佐藤速水農林水産省農村振興局長
現在の農工法において、第4条第2項の都道府県の基本計画の記載事項の規定、第5条第3項の市町村の実施計画の記載事項、この規定において公害の防止に関する事項が義務的記載事項とされている。これは、当時、公害が社会問題化していた昭和42年に公害対策基本法が制定されたことを受けて、昭和46年に制定された農工法においても、この農村地域における工業導入に当たって公害防止に関する事項が重要であるという認識から義務的な記載事項とされた。
今般の農工法改正に当たり、この計画記載事項について見直しを行った。この公害の防止に関する規定については、昭和46年当時と異なり、現在では公害防止対策について個別法が整備をされている。それらを踏まえると、最近の地域振興立法や地域産業立法等の立法例では、公害防止に関する事項を都道府県や市町村が定める計画記載事項としている例がない。また、国が定める基本方針において、現在でも農村地域への工業等の導入の目標に関して、公害のおそれのない業種又は公害防止設備を完備した企業の導入を図るといった旨が記載されており、改正後においても同じことを記載することとしているので公害防止対策が後退することにはないと考えられる。したがって、この際、工業等の導入に伴う公害の防止に関する事項を計画記載事項から削除することにした。


 
3.農工法関係
(6).農村環境の維持は重要であり、国の定める基本方針などで、環境の保全について記載すべきではないか。

山田
農村の環境の維持や改善などは、工業導入、産業導入政策にとっても重要で、住民の暮らしにとっても非常に大事なことである。国が定める基本方針などで、この環境の維持や保全などについても記載をしてもらいたいと思うが、いかがか。

佐藤速水農林水産省農村振興局長
現行の基本方針において、農村地域への工業の導入等の目標の中で、公害のおそれのない業種、公害防止設備を完備した企業の導入を図る旨が明記されている。
その他農村地域への工業等の導入に関する重要事項の項目の中で、自然環境の維持、形成に努めるとともに、農村地域の環境の保全に十分配慮するという旨の記載がある。このことについては、法改正後にも同様に基本方針に記載をすることにしている。


 
3.農工法関係
(7).義務的記載事項として、「農業従事者の就業の目標」と「農業構造改善の目標」を加える理由いかん。

山田
4条、5条の関係で、これまで任意的な記載事項であった農業従事者の就業の目標やあるいは農業構造改善の目標について義務的記載事項とすることにしている。この理由について伺いたい。

佐藤速水農林水産省農村振興局長
農工法の制定当時においては、農業構造改善の目標や農業従事者の就業の目標、これらは市町村の実施計画において義務的記載事項とされていた。これらの目標に係る規定については、その後、平成22年に、義務付け、枠付けの見直しに伴い義務的記載事項から任意記載事項になった。
今般の法律改正に当たっては、この実施計画における記載事項として一定の整理を行った。まず、この第1条の目的規定において、農業とその導入される産業との均衡ある発展とか、雇用構造の高度化に資するこの法律の目的達成の手段として規定された措置に直接関わる目標については義務的記載事項として、他方、目標を達成するために行う措置については任意の記載事項とする、このような整理を行い、導入産業への農業従事者の就業の目標や、導入と相まって促進すべき農業構造の改善に関する目標については義務的記載事項とした。

山田
この工業導入、産業導入の目標・目的が、農業従事者の就業を確保する、あるいは農業構造改善を推進することなので、義務的な記載事項とすべきものであった思うので、この件は賛成をしたい。


 
3.農工法関係
(8).造成を行った農村工業団地のうち、企業が立地していない用地、いわゆる「遊休工業用地」は、1400ヘクタールに達しているといわれるが、何故このように多くの遊休用地が残っているのか。今後、どのように活用していくつもりか。

山田
既に造成を行っている農工団地で十分活用されていないところがある。企業が立地していない用地、遊休の工業用地と言われており、1,400ヘクタールに達している。なぜこのように遊休の工業用地が残っているのか、今後どのように活用していくのか。

佐藤速水農林水産省農村振興局長
現時点において1,433ヘクタールが遊休工場用地となっている。その要因は、自治体への聞き取りによると、企業の立地動向を基に規模推計をしたものの見込みどおりに企業が立地しなかった、また、立地を予定していた企業が経済情勢の変化などに伴い立地を取りやめた、といった要因によるものと承知している。
これらの遊休工場用地については、優良農地を確保する観点から、この法律改正後の国の基本方針において造成済みの遊休工場用地の活用を優先するといった旨を明記したいと考えている。

山田
これまで造成したものが使われていないのはもったいない話である。遊休工業用地を活用していくことを推進していただきたいと思う。


 
3.農工法関係
(9).農工地区を設定する上で、優良農地の確保をどのように行っていくのか。

山田
今回の農工法の改正について、優良農地の壊廃が進むのではないかと心配をする声がある。
農工地区を設定していく際に、この優良農地の確保の要請とどのように調整をしているのか。

佐藤速水農林水産省農村振興局長
今般の農工法の改正法案では、優良農地を確保する観点から、産業の施設用地と農用地等との土地利用調整がこれまで以上にしっかりと行われるような仕組みを設けている。
具体的には、国が策定する基本方針において、土地利用調整については4点ある。①農用地区域外での開発を優先すること、②既存の産業導入地区内に造成済みの遊休地がある場合にはその活用を優先させること、③農業上の効率的な利用に支障が生じないようにすること、④導入される産業の面積規模が最小限度であること、以上を書き込んでいる。さらに、主務大臣が都道府県の基本計画を、都道府県が市町村の実施計画を、それぞれ同意協議を通じて確認をすることとしている。
このように、適切な土地利用調整の手順、段階を踏むことにより、優良農地を確保しつつ、農村地域の就業の場の確保を図っていく。

山田
ありがとうございます。優良農地の確保についての様々な調整を、これまで以上に対応していただきたい。


 
3.農工法関係
(10).地域未来投資促進法において、優良農地の確保はどのように行っていくのか。

山田
今国会に、地域未来投資促進法案、つまり企業立地促進法の改正法案が提出をされている。この法案は、地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域に高い経済的波及効果を及ぼすという、地域経済牽引事業の制度をつくる内容である。この改正によっても優良農地の壊廃が進むのではないかという心配の声もあるが、優良農地の確保をどのように進めていくのか。

佐藤速水農林水産省農村振興局長
地域未来投資促進法案は、地域の成長発展の基盤強化を図る上で重要な法案である。このため、丁寧な土地利用調整を図るための計画制度を新たに措置する、それにより優良農地の確保を図られるようにしている。
具体的には、農工法と同様に、まず、国が策定する基本方針において、土地利用に関し、農用地区域外での開発を優先する、遊休地があればその活用を優先する、農業上の効率的な利用に支障が生じないようにする、必要最小限の産業導入の規模とすることを明確にし、さらに、主務大臣が都道府県等の基本計画を、都道府県が市町村の土地利用調整計画を、それぞれ同意協議を通じて確認することとしている。
農工法の改正法案と同様の仕組みをこの地域未来投資促進法案でも用意して、その仕組みを通じて優良農地の確保を図っていく。

山田
この優良農地の確保は非常に大事な問題なので、しっかり対応していく、そして、その旨を自治体、関係者に説明して、運用がいいかげんにならないよう、対応していただきたい。


 
4.鳥獣害対策
(1).鳥獣による農産物の被害はどうなっているのか。被害の状況に地域差があるのか。

山田
昨年の12月に、臨時国会で鳥獣対策特別措置法の改正も実施をしたが、様々な努力にもかかわらず、農工団地あるいはその近くでも鳥獣被害が出ている。この鳥獣による被害はどのようになっているか、農産物に対する被害の状況について、地域差があるのかどうかも含めて伺いたい。

佐藤速水農林水産省農村振興局長
全国の野生鳥獣による農作物被害額は、平成27年度は176億円と、前年度に比べて若干減少しているが、依然として高水準で推移をしている。また、被害により農業者の営農意欲が減退するなど、被害金額の数字に表れる以上に農山村に深刻な影響を及ぼしている。
この被害状況を地域別に見ると、北海道が46億円と最も多く、次いで関東10都県で32億円、九州7県で29億円の順で多い。一方、東北6県は14億円、北陸4県で5億円と、比較的被害金額が小さい状況である。
獣種別に見ると、北海道は全国の鹿の被害額の6割を占めるエゾシカの被害、中国、四国、九州では鹿、イノシシの被害が全国の約3割を占める。関東の栃木県、千葉県や北陸などでは、イノシシの生息域が拡大をしており、東北の青森県、宮城県などでは鹿による被害が拡大している。

山田
ありがとうございます。鳥獣被害対策は、工業導入に限らず、地域に人々を呼び戻そうとするときに、非常に重要である。


 
4.鳥獣害対策
(2).鳥獣被害防止対策の取り組みいかん。

山田
鳥獣害対策についての取組について伺う

佐藤速水農林水産省農村振興局長
農水省では、鳥獣被害防止総合対策交付金で、本年度予算額95億円を計上し、侵入防止柵の設置や、捕獲わなの導入、追い払い活動など、地域ぐるみで行う鳥獣害防止のための取組を支援している。また、鹿やイノシシの生息数を半減させる政府目標の達成に向けて、一頭当たり8千円を給付している。
さらに、捕獲等の対策の担い手として市町村が設置をする、鳥獣被害対策実施隊に対して、予算上の重点支援や普及啓発をして、設置促進と体制強化を図っている。引き続き、関係省庁とも連携して、被害軽減に向けて取り組んでいきたい。

山田
ありがとうございました。