平成27年8月18日 農林水産委員会

平成27年8月18日 農林水産委員会が開催されました。農協法の改正案について参考人から意見を聞きました。参考人は、広島県農業協同組合中央会 会長 香川洋之助氏、龍谷大学農学部 教授 石田正昭氏、全国農協青年組織協議会 会長 天笠淳家氏、元明治大学農学部 教授 北出俊昭氏の4名です。各参考人の意見聴取の後に、質疑を行いました。
なお、正式な議事録については参議院ホームページ「会議録情報」をご参照ください。


山田
香川参考人に伺いたい。全中のJA改革の専門委員会の座長として、単協の在り方について議論をされてきた。また、JAの広島北部の組合長として職員の意識改革にも取り組まれてきたということである。
そこで、JAの組合長として、農業者の所得の増大が一つの鍵だという話があったが、組合長としてどのように取り組んでいくつもりなのか。それから、広島県、中山間の地帯が多く、JA広島北部では過疎化や高齢化も進んでいることだが、地域振興という意味で単協が果たす役割も重要だと思う。単協の組合長としてどのように考えているのか。

広島県農業協同組合中央会 会長 香川洋之助氏
まず、農業者の所得の拡大について、各農協でどのように取り組んでいるか、また、私どもの農協でどのように取り組むかはないかと思っている。
これまでも、農業者の所得拡大つまり、農業者が、生産資材の購買あるいは販売について、他業者と比較して負けないような価格を出すとか、販売も努力することはやってきたが、今考えてみると、まだまだ販売等についてはJAとしてやるべきことがあるのではないかと思っている。
米等については、私どもは今でも県域等の共同生産方式がいいと思っているが、それぞれできるところは、買取り販売、あるいは付加価値米のような農産物を作り、それを有利に販売していく。また、生産資材等については多様な農業者がいるが、大きい農業者には、一遍に量を取ってもらうと、運賃、コストも有利になるので、できるだけ細やかな対応をして、農業者に少しでも利益が残るようにする。所得の拡大は、農業者に利益が残ることを考えてやっていかなかったらいけないのではないかと思う。
ただ、この農業所得の増大も、コスト面で努力をしても、米価が下がる、あるいは今後輸入農産物が多量に入ってくることになると、相対的に農産物の価格は低迷することになる。すると、努力しても所得の向上ならないという事があるので、この辺については国の施策として多大な配慮をしてもらいたいと思っている。
地域と農協の関わりであるが、中山間地については、地域が元気になるためには、農業が元気にならなかったらいけない。地域と農業は一体のものがある。したがって、今、准組合員問題等も提起されているが、地域の住民を踏まえた中での事業展開をしながら地域の農業をみんなで支えていく仕組みづくりが必要なのではないかと思っている。
私どもは小さい農協だが、そのような意味では、組合員、准組合員、さらに地域の住民も巻き込んだ格好でJAに結集してもらい、地域の活性化あるいは農業振興も支えてもらうような取組をしているところである。

山田
香川参考人は、広島の県の中央会の会長をつとめられているが、県の中央会も今後組織の見直しが必要になる。中央会が今度組織替えをすることに伴って、このようなところが要注意だとか、このようなところに注意をしていきたいということがあったら伺いたい。

広島県農業協同組合中央会 会長 香川洋之助氏
今、大規模農家等の対応はそれぞれの個別のJAでやっているが、個別のJAだけでは対応できないことは、今年の4月から県域の中央会、信連、共済連、全農も含めた中で営農支援センターを新設し、連合会を挙げて大規模農家について対応していくことにしている。今スタッフは11名おり、大規模農家は、今登録しているのが二百余ある。販売も、JAと事業が今までつながらなかったところも行って、今後どのような格好で、組織が生きる、農業者が生きるためにはどのようにしたらいいかということについて対応している。
組織問題について、今、広島県のJAは13ある。これは大から小まであり、貯金の規模からいうと20倍も格差がある。農産物の取扱いについても、一千万もないようなJAもあるが、もう一度、農業者の組織として、組織の再編も今検討しており、合併も視野に入れて取り組んでいるところである。

山田
次に、天笠参考人に伺いたい。天笠参考人は全青協の会長として様々な活動をしており、米麦作地帯の大規模農家で農業の面でも大変活動しているが、法案の内容が十分に理解をされていないという話があった。
これから施行することになると、十分理解してもらいながら実施していくことが必要になるが、理解をしていただけるように今後どのようなことをしていったらよいか、これは政府が取り組むべきことだと思うが、農業者として、あるいは青年の組織の観点から、このようなことをやったらよいのではないかというアイデアがあれば伺いたい。

全国農協青年組織協議会 会長 天笠淳家氏
農業という産業は、およそ9割が家族農業で、それで中山間地守っているのが現状である。この法改正でよい方に傾くのか悪い方に傾くのか、正直、我々農業者の現場でも、今分からないのが現状だと思う。先ほど私も言ったように、一人でも多くの青年農業者と様々な意見交換をしていただきたいと思う。
完全にこの法案が、「百年たっても農業はきちんと残るよ、残せるよ、そしてきちんと守るよ」と言われるものになることが、一番意味合いが強いことであって、多くの生産農家の方々と対話をすることがいいのではないかと思う。
我々としても、場を提供されて意見を聞いてもらえるだけでも感謝しているが、これが実際に法案となって持続可能な農業がこれから百年先まで続けるような法案になることを期待している。

山田
もう一つ、今日は農業委員会の関係の方がいないので、天笠参考人に伺う。
特に土地利用型について、規模拡大をする、あるいは周りに耕作放棄地があってこれを何とかしよう等、様々な問題点があると思うが、農業委員会に対して今後を重点的にやってほしい事とか、大規模米麦農家としての希望や期待等を伺いたい。

全国農協青年組織協議会 会長 天笠淳家氏
先ほど言われたように、農地中間管理機構ができました。私は、群馬ですが、群馬は、中間管理機構の実績が非常に低い。耕作放棄地と言われるところもあるが、そこは核家族化が進み、元々おじいさん、おばあさんでやられていたところの御子息が皆、地方に分散していってしまい、結局管理できないような状況になっている。
農地中間管理機構が十二分に発揮して大きな面的に集約ができていないのが現状である。私もこの先を狙ってブロックローテーション等を行って所得を増やしていきたいという事は当然のことながら考えているが、基盤整備がまだそこまでは行っていないのも現状かと思う。
お願いしたい事は、農業委員に権限を与えてほしい。耕作放棄地に対する権限をもっと的確に与えれば、例えば空き缶のポイ捨てであるとか罰則規定であるとか、そのようなものも農業委員が徹底的に見回ることにより、地域はさらにきれいになり、耕作放棄地もなくなると思う。
それから、中山間地に無理やり農地を造ったようなところでは、もう自然に返した方がいい農地も実際にあるので、検証していただければと思う。

山田
もう一つ、今日は農業委員会の関係の方がいないので、天笠参考人に伺う。
特に土地利用型について、規模拡大をする、あるいは周りに耕作放棄地があってこれを何とかしよう等、様々な問題点があると思うが、農業委員会に対して今後を重点的にやってほしい事とか、大規模米麦農家としての希望や期待等を伺いたい。

全国農協青年組織協議会 会長 天笠淳家氏
先ほど言われたように、農地中間管理機構ができました。私は、群馬ですが、群馬は、中間管理機構の実績が非常に低い。耕作放棄地と言われるところもあるが、そこは核家族化が進み、元々おじいさん、おばあさんでやられていたところの御子息が皆、地方に分散していってしまい、結局管理できないような状況になっている。
農地中間管理機構が十二分に発揮して大きな面的に集約ができていないのが現状である。私もこの先を狙ってブロックローテーション等を行って所得を増やしていきたいという事は当然のことながら考えているが、基盤整備がまだそこまでは行っていないのも現状かと思う。
お願いしたい事は、農業委員に権限を与えてほしい。耕作放棄地に対する権限をもっと的確に与えれば、例えば空き缶のポイ捨てであるとか罰則規定であるとか、そのようなものも農業委員が徹底的に見回ることにより、地域はさらにきれいになり、耕作放棄地もなくなると思う。
それから、中山間地に無理やり農地を造ったようなところでは、もう自然に返した方がいい農地も実際にあるので、検証していただければと思う。

龍谷大学農学部 教授 石田正昭氏
現在の農協法、これまでの農協法は職能組合かつ地域組合という枠組みで動いてきた。私は、それを忠実にやってきたと理解している。
職能組合というのが、現時点でその組合の経済的分化、一方では農業法人になる、家族経営もあるだろうし、他方では土地持ち非農家と、このような現実がある。
単協がやるべきことの質問であるが、今度の農協法改正案は、いわゆる農業法人や担い手層、これに焦点を当てよと、職能組合純化路線を言っている。
しかし、戦後農協の生い立ちは、戦後自作農を守ることである。この戦後自作農の中には現在の土地持ち非農家も含まれる。この人たちのことを無視していいのかと。この人たちがこれまでの農協の発展を支えてきたのである。全体の人たちが、簡単に言えば、今までの内部留保等もそのような人たちの積み上げの下で行われてきたのであるから、農業をやめたら、はい、あなた方、今度、農協法の役割は職能組合純化路線になりましたからそれは満たせませんよということなどできるはずがない、私はそう思っている。それを強制するのは何事だと。
私から言わせれば、戦後の自作農を丸ごと守るというのが本来の単協の趣旨であり、今度の自己改革ではJAグループはその辺りを明確に出していると思う。そのことを理解できない農水省は農水省なのかと、本当にそう思う。中小企業庁に行ったらいいと思う。

元明治大学農学部 教授 北出俊昭氏
ある立派な農協の組合長をやっていながら県の中央会の会長業務の方がいるが、その方に少し前会ったら、農協ですら協同ではなくて競争なんだ。競争を組合員の人がみんな重視をしていると、みんな協同ではなくて競争なんですよと言われた。
私は、農協ですらそうだとすれば、これは全国で今言われていることがかなり隅々まで行っているというように感じた。
戦前は、村落共同体があって、みんな助け合う事があった。それが崩れてしまい、それに代わる新しい協同がまだできていないだけではなくて、最近崩壊してきているという感じがする。
したがって、私は、非常に抽象的な言い方だが、どこをどうするということではなくて、農協として農村において協同を強化していく役割が一層重要になっているのではないか、だから事業も様々なものもそのような視点から取り組む必要があるのではないかと思っている。

山田
大変貴重な意見を伺った。法案の審議に反映をさせていきたいと思う。