平成27年4月22日 地方・消費者問題特別委員会

4月22日、「地方・消費者問題特別委員会」が開催されました。今回は、一般質疑です。
下のテーマをクリックすると、そのテーマの質疑・答弁の該当箇所にとびます。
なお、正式な議事録については参議院ホームページ「会議録情報」をご参照ください。


【質問事項】
1.機能性食品表示
(1)事前届け出はどの程度なされているのか
(2)「科学的根拠」のチェックと不十分な場合の対応
(3)表示の監視
(4)消費者への周知
2.2013年(平成25年)の食品表示問題への対応
(1)レストランなどの「偽装表示問題」のその後の発生状況
(2)昨年3月のガイドラインの普及状況
(3)関係業界の自主的取り組み(セミナー、相談窓口)
3.費者行政についての大臣の姿勢
(1)費者行政についての大臣の姿勢


1.機能性食品表示

(1) 事前届け出はどの程度なされているのか
山田
4月1日から機能性表示食品制度がスタートした。「おなかの調子を整える」といった健康に役立つ機能を表示するもので、早ければ6月にも新しい表示の食品が店頭に並ぶ。
この「機能性」を表示できる制度としては、これまでも「特定保健用食品(トクホ)」と「栄養機能食品」の2つの制度があった。しかし、これらの制度は使い勝手が悪いという評価もあった。例えば、「栄養機能食品」の制度ではビタミンやミネラルといった表示できる成分が限定されているし、「トクホ」の場合には「安全性や有効性に係る臨床試験」が必要で、時間と費用がかかり、中小事業者には利用しにくく、ハードルが高かった。
「成長戦略」の一つとして新たな表示制度、機能性表示食品制度であるが、これは企業等の責任で表示ができるので、企業にとっては便利な制度である。
一方で、「消費者の誤認」を招かないようにする必要がある。この制度では、販売日の60日前に消費者庁に届出し、その内容を消費者庁が公表することになっている。まず、これまで、この「事前届け出」がどの程度されているのか伺う。

岡田憲和 消費者庁審議官
機能性表示食品制度につきましては、4月1日より食品関連事業者から消費者庁への届出が可能となっており、昨日4月21日の時点で、事業者の判断で自主的に取り下げたものも含めて、128件の届出資料が郵送されている。
届出資料については、消費者庁において記載事項の抜け落ちがないかなどの確認を行っており、昨日の時点までに資料が整った8件の届出情報を消費者庁のウエブサイトに公表している。引き続き、それらの品目に係る届出書類の確認や届出情報の公表を鋭意進めてまいりたい。

山田
ありがとうございました。公表されたものが既に8件、資料の提出があったのが128件。皆さん注目し、利用しようとしている制度だと思う。

(2).「科学的根拠」のチェックと不十分な場合の対応
山田
「おなかの調子を整えます」といった機能性について、「科学的根拠」は、「過去の論文でも良い」とされ、特保のように臨床試験をしなくても表示ができるということだが、販売になる前の段階で、消費者庁として、この科学的根拠についてどのようにチェックするのか。

岡田憲和 消費者庁審議官
本制度は、事業者において、人を対象とした臨床試験又は既存の論文を基にした研究レビューという方法で食品の機能性を評価する。
このうち、研究レビューは、事業者に都合の良い論文のみが恣意的に抽出されることなどがないように、論文の検索、評価方法等をガイドラインで定めるとともに、事業者が行った研究レビューの内容を公表し、客観性、透明性の高い仕組みとしている。
また、届出情報の公表後に機能性表示食品の機能性に関して、合理的な疑義情報が寄せられた場合には、消費者庁で必要に応じ調査を行い、その上で、当該食品が表示している機能性が科学的根拠に基づかないことが明らかになった場合、当該食品は機能性表示食品として販売してはならないことになり、消費者庁から事業者にその旨を連絡することになる。以上のような対応を取ることにより、制度を適切に運用してまいりたい。

(3).表示の監視
山田
消費者庁としても事前の段階でできる限りチェックをしていくということだが、過去の論文が、本当に科学的根拠があるかというのは分かりづらい。事前の段階で情報をしっかりチェックしていただきたい。
「機能性表示食品」が販売されるようになった段階で、「科学的根拠が不十分と判明した場合」どのように対応するのか。また、販売されている食品の実際の表示が適切かどうか、また、食品の内容と表示が一致しているかどうか、どのように監視するのか。
消費者庁は、規模の小さい組織なので、十分手が回っていくのか心配される。その辺の対応について伺いたい。

菅久修一 消費者庁審議官
「機能性表示食品」が販売した後に、その食品の表示についての科学的根拠が不十分であると判明した場合は、食品表示法に基づいて、指示、命令などの適切な措置をとる。また、この情報については消費者庁のホームページで公表する。
届出のあった食品について販売後、疑いが生じた場合の調査は、報告徴収であるとか立入検査、商品買上げ、成分分析などによって必要な調査を行い、その上で適切な措置をとることになる。
また、機能性表示食品の監視について、消費者庁に加えて全国141か所にある保健所などの保健衛生部局が連携して、適切な表示が行われるよう監視する体制を整えている。

山田
ありがとうございました。
特に、販売後の監視、チェックをする必要がある。様々なところからいろいろな情報がある。そのようなものを消費者庁、あるいは関係省庁と連携をしていただき、成長戦略の一環として、国民の皆さんが信頼できるような形で運用をしていただきたい。

(4).消費者への周知
山田
特にこの機能性食品については、栄養機能食品あるいは特保の制度と違い、国がお墨付きを与えるものではなく、透明性を確保しながら運用していく仕組みで、企業などが、自らの判断で表示を行っているものである。この点について、消費者の方にもよく理解をしてもらう必要がある。消費者への周知をどのように進めるつもりか。

岡田憲和 消費者庁審議官
機能性表示食品を含む食品の機能性を表示する制度の内容について、消費者の理解の増進を図っていくことは、消費者の自主的かつ合理的な商品選択を確保する上で重要なことであり、本年3月に閣議決定された消費者基本計画でも、その旨が明記されている。
これまでも消費者庁は、機能性表示食品制度を含む新たな食品表示制度に係る全国説明会の開催や、機能性表示食品制度に関する消費者向け普及啓発用資料の作成等を行ってきた。
平成27年度予算でも、新たな食品表示制度に関する、消費者向け普及啓発用資料を作成するための事業予算を計上しており、当該事業も活用しながら、今後とも、機能性表示食品制度など新たな食品表示制度についての普及啓発に努めてまいりたい。

山田
どうもありがとうございました。
この機能性食品表示の制度は、成長戦略の一環として、消費者の保護と企業の便宜を考えて制度化したものであり、大変運用が難しいと思うが、活用されれば大変よい制度である。この新しい試みがうまくいくよう、審査の段階あるいは消費者へのPR、監視体制をしっかりやっていただきたい。


2.2013年(平成25年)の食品表示問題への対応

(1)レストランなどの「偽装表示問題」のその後の発生状況
山田
2013年(平成25年)に、大手ホテル、百貨店、レストランなどで、メニュー表記と異なる食材を使用していたことが、次々と発覚した。このような「偽装表示問題」について、最近では、あまり耳にしないが、その後の発生状況はどうなっているのか。

菅久修一 消費者庁審議官
平成25年に発生しました食品表示等問題のその後の状況は、当時に比べると落ち着きが見られるというのは事実である。しかし、残念ながら、散発的にレストランなどにおいて、不当表示事案が発生している。例えば、昨年の10月には株式会社木曽路の件、株式会社豆千待月の件、また、今年の2月には株式会社ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツに対する件、それぞれ景品表示法に基づく措置命令を行ってきた。
消費者庁としては、このような不当表示に対して、今後も引き続き、事実が見つかった場合は厳正に対処していきたい。

(2)昨年3月のガイドラインの普及状況
山田
昨年3月26日に「消費者特別委員会」でこの問題を質問した。その当時、「メニュー・料理等の食品表示に関するガイドライン」を策定中で、3月28日にガイドラインが公表されている。レストラン等の表示問題は、個別具体的なので、抽象的なことよりも、具体例をガイドラインという形で示すことは大変有意義であると評価していた。このガイドラインの普及状況はどうなっているのか、お伺いしたい。

菅久修一 消費者庁審議官
御指摘のガイドラインは、3月28日に成案を公表した。これをまず全国の事業者団体、消費者団体などに配付をした。そのほか、各種の事業者団体などが行う景品表示法の説明会、ここからの講師派遣要請なども多々あったので、それらに対して、当庁の職員を講師として派遣をして説明を行ってきた。
また、平成26年6月には、各都道府県の景品表示法担当部局に対して、景品表示法に係る講師養成研修を実施した。これにより、広く地方公共団体の職員も、ガイドラインの内容の説明などを含む景品表示法の普及啓発が行えるよう支援を行った。
消費者庁としては、今後も引き続き、こうした景品表示法違反行為、この未然防止のため、積極的に説明会での説明を行うなど、普及啓発に努めていきたい。

山田
ありがとうございます。
ガイドラインというのは非常に大事であり、レストラン等にとっては非常に貴重なデータ、参考資料である。ガイドラインの普及について努力をしていただきたい。

(3)関係業界の自主的取り組み(セミナー、相談窓口)
山田
2013年頃起きていた表示問題は大分鎮静化しているということであるが、このようなトラブルを避けるためには、関係業界の取り組みも重要だと考えている。ガイドラインの公表も受けて、関係業界も様々な自主的取り組み、例えば、セミナー開催、相談窓口の開設といったものを行っていると思うが、消費者庁としてどのように対応しているのか。

菅久修一 消費者庁審議官
いわゆる食品表示等問題が発生した際に、業界の自主的な対応が極めて重要だという指摘もあった。それ以降、関係業界において事業者向けへの説明会が、盛んに行われている。消費者庁としては、これらに、当庁の職員を講師として派遣し、説明を行ってきた。また、相談の窓口も設けており、食品やメニューに関する表示の方法、内容について様々な相談が寄せられている。これらの相談に対しても積極的に対応している。
今後も、消費者庁として、関係業界における表示の適正に向けた取組について、積極的に支援をしていきたい。

山田
どうもありがとうございました。


3.消費者行政についての大臣の姿勢

(1) 消費者行政についての大臣の姿勢
山田
山口大臣に消費者行政に取り組む姿勢について伺う。消費者行政は、言うまでもなく、消費者の目線で考えていくことが、なによりも重要。
それと合わせて、これまで質問した「機能性表示食品」や「レストラン等の偽装表示問題」でもわかるように、「デフレからの脱却」や「地方創生」が、大きな課題となっている中で、事業者などに過度の負担をかけないようしていくことにも、大事と考える。このようなことも踏まえて、消費者行政にどのように取り組むのか、大臣の考えを伺いたい。

山口俊一内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)
消費者行政においては、行政だけでなく、事業者とか事業者団体も含めて、消費者を取り巻く全ての関係者、主体の皆さん方が消費者のことを十分に考慮して行動していく、そのような社会をつくっていくことが必要。安全な商品、サービスを提供することが、実は、消費者の利益になるだけではなくて、顧客の満足とか信頼を獲得するために、事業者にとっても健全に物が売れることであるから、重要なことであろうと考えている。
また、事業者に過度な負担を掛けることは、消費者のニーズに応じた多様な商品やサービスの提供を萎縮させてしまうことから、産業の発展と消費者の利益の擁護、増進、これらが両立することが大事なことだと思っている。
そのためにも、消費者を重視した事業活動、すなわち消費者志向経営の促進や、事業者、事業者団体による自主的な取組を支援したり、促進をする一方で、悪質事業者に対しては厳正に対処して、健全な市場の実現と消費者の利益の擁護、増進を実現していくことが大事である。そのような思いで消費者行政にこれからも努力をしてまいりたい。

山田
どうもありがとうございました。
大臣から、消費者志向経営という話もあった。生産者あるいは販売をする方は、消費者の目線に立って活動をすることが重要。消費者行政も、消費者の目線の他に、生産者あるいは販売をする方にも目を向けながらおこなっていくことが重要なことである。
消費者庁は小さい組織で予算も限られているが、国の行政では重要な役割を担っている。食品表示の問題、ほかの消費者行政一般について、関係行政機関、他の機関を巻き込んで協力をお願いする、あるいは情報提供をしてもらうなど、できるだけ消費者行政が、消費者庁だけの問題ではなくて政府全体の問題として取り組んでいくような動きを加速することも、消費者行政を発展させる上から非常に大事なことではないかと思っている。そのようなことも重ねてお願いをして、私の質問とする。
本日はどうもありがとうございました。