平成27年4月15日 国際経済・外交調査会

平成27年4月15日、国際経済・外交調査会が開催されました。今回は「資源・エネルギー問題」について参考人をお呼びし、意見を聞きました。のちに、各参考人に対し質疑を行っています。山田は、NPO法人社会保障経済研究所代表 石川和男氏に対して、国産エネルギー政策の現状について質問を行いました。

なお、正式な議事録については参議院ホームページ「会議録情報」をご参照ください。


 山田

外務省の齋木局長に2点お伺いしたい。
今日は大変有意義なお話をありがとうございました。石川参考人にお伺いしたい。
プレゼンの最後は、「国産エネルギー政策の新展開」が結論になっていたが、それに関して、具体的な内容またはアイデアがあればお伺いしたい。というのは、具体的な柱が三つあり、1)再エネのコスト負担問題、2)原子力のPA問題、3)再処理や最終処分の問題であるが、そこで、国際資源動向の急変にも動揺しない供給構造を保つことが大事で、予備あるいは余裕が必要だというが、この供給構造を保つために、具体的にどんなアイデアがあるのか。第2に、国産・準国産エネルギーの比率を一定に保つための具体例を聞きたい。供給構造でいえば、例えば、食料の問題だと、輸入先を多様化して、どこかの国で何か問題が起こったときにほかのところから輸入できることを考えておく。そのような普遍的な方針の具体的イメージが何かあったら説明いただきたい。

NPO法人社会保障経済研究所代表 石川和男氏
国産エネルギー政策は、日本のエネルギー政策の中で幾つかの区分があり、再エネ・原子力・化石をそれぞれ幾らにしようかという話になっている。そのうちCOPがあるので、ノンCO2といった話も出てくる。3・11より前から、もっとメディアでも報じられるべきで、オイルショック以降、我々が気にしなくてはいけないのは、エネルギー安全保障で、自給率の向上、つまり我が国領土、領海内で取れる資源を使って、外国に対して足下を見られないようにする。これは、外交の常套手段と私は思っている。
それを具体的にどのように確保するか。まず、理念として、エネルギー安全保障(国産エネルギー政策)という問題を震災以降もっと政治的にも広めていくべき。
以前は日本にはたくさんの石炭鉱があった。私は通産省に入省したときに、三菱南大夕張炭鉱の閉山と、その後、もう一つ北海道の大手の炭鉱の閉山を手掛けた。これで日本の石炭はなくなって、オーストラリアからだなどと話をしたときに、エネルギーセキュリティー大丈夫かといった話はあったが、当時は、オーストラリアは戦乱の国でないので大丈夫だということだった。しかし、輸入資源には変わりない。これはやはり良くないだろうとずっと思っていたが、ようやく最近、再生エネルギーがプレーアップされてきたので、これはチャンスだろうと思っている。
それでも日本は資源がたくさんあるわけではない。種類を数えても、原子力と再エネ5種類の6種類ぐらいである。問題は、これをどうやって商業ベースに乗せて、我々が毎月払う電気料金が、ある程度に抑えられるような形で収めるかということだ。
既設の原子力発電所は、大方はまだ何十年も使える。まずはその期間は原子力の稼働率を高める。日本の稼働率は低い。韓国も90%、アメリカ合衆国も92%、これは世界最高だと言って彼らは発表している。フランスもある。電気料金も安い。産業競争力もある。
先般、ドイツに行った時に、ドイツ政府からもらった資料にそう書いてあり、だから、ドイツは駄目だと、彼らはそのようなプレゼンをした。それは国産エネルギーとして彼らが自分たちで賄えるものの強みだと思う。日本にはない。
ないので、あるものを使うとなると、私は、既設の原子力発電所とか再生エネルギーはこの国にある人工的な油田、ガス田の類いだと思う。しかし、お金が掛かるので、今の原子力を使い、ただし、いつかやめる。やめるまで時間があるので、それはそれで再エネも投資して育てていく。
30年後、40年後については、これは我々の子孫たちに期待するしかないと思うが、その技術開発のための資金もそこで確保して、それで将来の国産エネルギー投資に少し蓄えておく。
原子力発電所をフル稼働させて9割ぐらい稼働させると、私の試算では、例えば東京電力の柏崎刈羽原子力発電所は7基あり、これを9割で稼働させると現在よりも1兆円の利益増効果がある。関西電力は3つの原子力発電所があって、これをフル稼働させると1兆を超える利益増効果が出てくる。日本全体の原子力発電所を欧米並みの稼働率にすると3兆ぐらいは利益増効果として出てくる。これは非常に有効であり、技術的には、世界的に全くおかしい話ではない。
廃炉のためのお金もためる、次世代の技術開発の資金もためる。このようなものをトータルパッケージとして考えると、それでも国産エネルギーは4割か5割だと思う。化石燃料にはやはり頼らざるを得ない。そのくらいの目標を作っていくことが私の思っている技術的に可能なエネルギー、国産エネルギー政策のアウトラインである。

山田
ありがとうございました。
再エネの中では、バイオマスや、小水力など、いろいろなものがあるが、それ自体はそれほど大きなウエートがないと考えておられることでよいか。

NPO法人社会保障経済研究所代表 石川和男氏
水力というと大きなダムを想定される方、川の流れるところに水車を想定されると思うが、日本が開発できる大型の水力発電所はもうない。開発され尽くしたのである。そこで、小水力であるが、現実問題として、全部かき集めても大きな出力を確保できるわけではない。したがって、水力は余り期待できない。ただ、地域エネルギーとしての有効活用はあり得る。
バイオマスについてもやはりコストの問題がある。私は、実は5つの再エネの中で最も有望だと思っているが、例えば、大型石炭火力発電所は、100万キロワット、150万キロワットある。新型のあたらしい原子力もそれくらいある。そのくらいの能力が期待できるかと言われると、そこまではないというのが率直な現実である。

山田
ありがとうございました。