平成26年10月16日 農林水産委員会

10月16日、農林水産委員会で質問に立ちました。9月に新内閣が成立し、農林水産大臣、副大臣、政務官の三役も新しい布陣となりました。
西川公也大臣、小泉昭男副大臣などから農林水産行政の基本的報告について力強い答弁を得ることができました。

下のテーマをクリックすると、そのテーマの質疑・答弁の該当箇所にとびます。また、本文中の答弁者の下線は、配布資料の主な引用部分です。
なお、正式な議事録については参議院ホームページ「会議録情報」をご参照ください。


【質問事項】

(1).大臣の基本的考え方・決意について
(2).TPP交渉について
(3).農協・農業委員会等の改革について
(4).今年のコメの価格について
(5).コメの需要に見合った生産体制について


(1) 大臣の基本的考え方・決意について
山田
14日(火)の大臣から「所信的挨拶」の中で、「農林漁業者の所得の向上」や「地域のにぎわいの創出」を強調されていましたが、今後、農林水産施策を進めていく上でどのような基本的な考え方で行われるのか、その決意を伺いたい。

西川公也農林水産大臣
今、我が国の農林水産業、農山漁村は、高齢化等の課題が山積をしている。一方で、我が国の成長の原動力となる潜在力を私は有していると認識している。
この潜在力を最大限に引き出し、農林漁業者の所得を向上させ、農山漁村のにぎわいを取り戻していくことが重要であると考えている。このため、私を本部長とする攻めの農林水産業実行本部の下、現場の声を丁寧に聞きながら、EUや米国などの市場も重視した輸出促進に取り組んでいきたい。更に、農地中間管理機構の本格稼働による農地集積、集約化を進め、六次産業化等による農山漁村の就業機会の拡大を図っていきたいと考えている。
さらに、林業の成長産業化あるいは水産日本の復活をどう進めるかと、こういうことを果敢に取り組んでいきたいと考えている。そのため、農林水産業・地域の活力創造プランの着実な実行に全力を挙げて取り組んでいく。

山田
大臣には是非、大胆かつ安定的な政策の運営をお願いしたい。


(2) TPP交渉について
山田
TPPについて、この日米事務レベル協議が4日間にわたって行われたと報道がされている。日本側の関係者の話では、着実な成果があったというコメントもあった。西川大臣は、これまで自民党のTPP対策委員長などをされて、大変その交渉の中身、状況についても精通されている。
TPP交渉について大臣として、どのような見通しを持っているのか。特に衆参の両院の国会決議について、所信的挨拶の中では「決議が守られたとの評価が頂けるよう」と述べているが、国会決議の遵守について改めて確認したい。

西川公也農林水産大臣
TPP交渉は、今月25日土曜日から27日月曜日までシドニーにおいて閣僚会合の開催が予定されていると聞いている。我が国としては、衆参両院の農林水産委員会決議が守られたとの評価をいただけるように、政府一体となって交渉の早期妥結に向け全力で尽くしてまいりたいと考えている。
私どもが対策本部から伺っているところでは、日米の協議については相当かみ合ってきたという報告を受けている。

山田
TPPについては、いろいろな方が、関心があり、心配している方が多い。交渉事でもあり、外国との約束もあってなかなか情報が出せないことはあると思うが、可能な限り情報を提供していただきたい。


(3)農協・農業委員会等の改革について
山田
農協・農業委員会等の改革について、来年の通常国会に向けて、改革法案を準備していくことになるが、上からの押しつけで、改革を実施しようとするならば、成功は覚束ないと思う。
農協や農業委員会関係者は、これまでも誇りを持って仕事をしてきている。今回の改革について、これらの方々が、引き続き誇りを持って仕事ができるように、現場の意見を十分に踏まえて、改革案を練り上げてほしい。
農協・農業委員会などの改革に、どのような方針で臨まれるのか、お聞きしたい。

小泉昭男農林水産副大臣
農協、農業委員会の改革は、あくまで農家の所得を増やすと、先程大臣のお話しがあった。また、農村のにぎわいを取り戻していくためにやろうと、こうした観点から本年6月に与党の取りまとめが行われたところであり、政府の農林水産業・地域の活力創造プラン等にもこれを盛り込んだところである。
農林水産省としては、与党の取りまとめ等の枠組みを前提に、御関係の皆様の御意見も伺いながら、次期通常国会における関連法案の提出に向けて検討を進めてまいりたい。

山田
これから農協、農業委員会等の改革について、様々な議論があると思うが、現場の方々、関係団体の方々の意見をよく踏まえていただきたい。


(4) 今年のコメの価格について
山田
最近、問題になっているコメの価格について質問する。
26年産のコメについて、各県のJAが農家に支払う概算金が、前年に比べて、60キロ当たり2千円から3千円低い額になっている。資金繰りなど農家の不安は大きくなっているが、米価の今後の見通し及び対策について伺いたい。

松島浩道農林水産省生産局長
26年産の米の価格につきましては、民間取引の中で決定されていくわけであるが、収穫や販売が本格化するのは10月以降である。10月以降の米の需給動向をよく見ていく必要がある。
概算金の低下に伴ってどのような対策があるのか。JA等が農家に支払う米の概算金が、今回2千円から3千円下がり、農家の方々に大変心配の声があることは十分承知している。ただ、この概算金はいわゆる仮払金で、米の販売見通しが立つと農家に追加支払が行われるという性格のものである。
したがって、今後、JAはしっかり販売戦略を立てて、農家所得の確保という観点から適切な価格を設定し、販売努力をしてもらうことが重要であると考えている。
仮に今後、米価の変動が生じた場合は、収入減少影響緩和対策、いわゆるナラシ対策が措置され、26年産に限っては、このナラシ対策に加入していない方に対しても対策がある。このように農家の減収補填を実施してまいりたい。

山田
農水省の説明では、昨年に比べて、米価についていろいろな作況の状況とか在庫の状況を見ると、米価がそれほど下がっていくような状況ではないのではないかという話も聞く。いろいろな情報を農協の方なり、農家の方に伝えていくことが大変重要なことではないかと思う。必要以上の不安が生ずるということがないようにお願いをしたい。


(5) コメの需要に見合った生産体制について
山田
長期的に見て、コメの需要減退、消費減退が見込まれる中で、このまま推移すれば、米価の低下は避けられない。その意味で、飼料米の拡大など、需要に見合った生産体制の構築が急務と思うが、どのように取り組むつもりかお伺いしたい。

松島浩道農林水産省生産局長
1.米の需給に関する情報をしっかり現場に伝えるべきという指摘について
まさにそのとおりだと思う。9月の末に9月15日付けの作況を公表したが、次回は10月15日付けの作況が10月末に公表される予定となっている。作況が出たら、現場も含めて関係者に情報を発信してまいりたい。
2.米の消費の動向について
米の消費はここ数年、年間8万トン程度減少すると見通されている。現在、米の生産量は約800万トンであるが、毎年1%減少する見通しで、このような中で、米の需給の安定を図っていくためには、主食用米から需要のある飼料用米などの主食用以外への転換を進めていくことが重要な課題になっている。このため、農林水産省としては、27年産以降の飼料用米の生産拡大に向けて、その推進体制を整備することで、地方ブロック及び都道府県段階に、行政、生産者団体、畜産関係団体から成る組織を設けて、関係者一丸となって飼料用米の生産の拡大に取り組んでいるところである。
さらに、飼料用米の生産拡大に当たっては、多収性専用品種の種子の確保が重要である。現場でどの程度の種子の需要があるのか、その把握に努めており、27年産の飼料用米の種子については、26年産の約2倍に当たる種子を確保した上で、仮にそれ以上の需要があるとすれば、今年収穫されるもみの一部を種子に転用するといったことも含めて必要量を確保してまいりたい。
3.飼料用米の推進について
関連する施設や機械の整備が必要になっている。例えば、飼料用米を生産する稲作農家については、主食用米との混合を避けるためにカントリーエレベーターの整備であるとか、他方、受け入れる側の畜産農家の方では、飼料用米を加工したり、保管する施設の整備が必要である。このようなことについては予算措置により、応援していきたい。今話したように、幾つかの課題があるが、関係機関と連携して、現場において円滑に飼料用米の生産が進むよう、取り組んでいきたい。
さらに、27年産の飼料用米の生産拡大に向けて、全農が60万トンの生産目標を設定して、自ら買い取って販売する新しい枠組みをつくる方針を掲げている。農林水産省としては、この全農の新しい枠組みについても後押ししていきたい。

山田
飼料用米を普及していくことは、本当に大事な課題だと思っている。これは国を挙げて取り組むべき課題である。
今日は、米の問題、TPPの問題、農協改革の問題などを質問したが、今、農政は大変重要な時期に来ていると思う。これからの20年、30年を考えたときに、ああ、この時期がやっぱり曲がり角だったんだなと、随分良くなった、西川大臣の下で良い日本の農林水産業が開けてきたなと言われるような政策をやっていただきたい。