消費者問題特別委員会 2014年3月26日

3月26日、消費者問題に関する特別委員会で初めて質問に立ちました。消費者行政の基本的方向や相談の窓口等について質問をしました。これからも、消費者の安全を確保し、不安を払拭するべく、しっかり仕事をしていきたいと思います。

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なお、正式な議事録については参議院ホームページ「会議録情報」をご参照ください。


【質問事項】
1.消費者行政の基本的方向
2.相談の窓口
3.食品表示Gメンの活動実績・成果
4.昨今のレストラン等の表示問題
5.アクリフーズ農薬混入人事
6.消費者政策における国際連携


 

1.消費者行政の基本方針
(1)消費者行政の現在における重要性と今後の取組み方針
山田
消費者の安全を確保し、不安を払拭することが、消費者行政として、まず、重要な点だと考える。最近では、レストラン等における表示問題や加工食品への農薬混入事案など、消費者の安全安心をおびやかす事態がおこっている。それに加えて、安倍内閣が我が国経済の活性化を図るため、成長戦略に取り組んでいる現在、健全で活気ある消費市場をしっかり築いていくことが、景気回復に不可欠であると考えている。消費者行政の現在における重要性と今後の取り組み方針について、改めて、大臣のお考えをお伺いする。

森まさこ内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)
現在、商品、サービスに起因する身体への危害や、高齢者等を狙い撃ちにした悪質商法、実物とは懸け離れた表示、広告など、消費者の安全、安心を揺るがす事案が後を絶たない。このような状況の中で、消費者行政を推進していくことは、消費者の安全を確保し、不安を払拭し、健全で活気と厚みのある消費市場を構築することにもつながる。消費の増加が更なる景気回復につながる経済の好循環を実現するためにも、不可欠だと考えている。このため、消費者の安全、安心の確保に向けて引き続き取り組んでいくこととし、消費者被害の防止及び救済のための対策や、消費市場、物価関連の対策から成る消費者安心戦略を全力で推進していくこととしている。また、消費者庁が発足して5年になる。消費者庁が発足当時の理念にのっとり、しっかりと政策が行われてきたかをしっかりレビューすることを指示し、レビューの結果を踏まえて、中長期的な消費者政策をつくっていきたいと思う。

1.消費者行政の基本方針
(1)国民生活センター、消費生活センター、農林水産省、経済産業省等との連携・活用
山田
森大臣から消費者庁のレビューもしていくという話があったが、この消費者行政の中で、消費者庁は大変重要な役割を担っている。今後益々、その役割をしっかり果たしていく必要があると考えている。しかしながら、消費者庁の組織体制は、わずか9課、300人弱の体制で、予算も100億円余りでしかない。消費者庁は消費者行政の「司令塔」、「エンジン役」であるが、言い換えれば、自前の手足がないということだ。重要な消費者行政を万全に行っていくためには、「独立行政法人国民生活センター」や地方公共団体の「消費生活センター」、更には、農林水産省や経済産業省等関係省庁との連携が極めて重要だ。これらの機関との連携をどのように進めているのか、また、今後の取組み方針についてお伺いしたい。

山崎史郎消費者庁次長
消費者行政は全国各地で発生する消費者被害に現場で対応することが大変重要だ。しかし消費者庁の現在の組織では、全てに対応することは困難な為、関係機関との連携が非常に重要であると認識している。例えば、消費者被害への対応だが、地方自治体の設置している「消費生活センター」では、各地域で消費者からの相談、苦情を受け、現場で助言、あっせんを行う役割を担っている。また、「国民生活センター」では、消費生活センターの支援を行うとともに、消費相談に関する情報を集約、分析しており、いずれも消費者行政の重要な一翼を担っている。関係省庁との連携も深くしている。例えば昨年の食品表示問題等に関しては、農林水産省に協力をいただき、食品表示Gメン等を消費者庁職員として併任発令し、全国で食品表示の巡回監視を行うべく準備を進めている。また、今国会で提案している不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律案では、景品表示法に係る国、地方自治体の監視指導体制の強化、景品表示法に係る関係者相互の密接な連携の確保、さらに高齢者等の被害に遭いやすい消費者を見守る地域のネットワーク構築等の、消費者行政の体制強化措置を盛り込んでいるところだ。今後も関係省庁、「国民生活センター」や「消費生活センター」などと連携しながら、消費者行政を推進していきたい。

 


2.相談の窓口
(1)消費生活センターの役割
山田
地方公共団体には、現在約740の消費生活センターがある。消費生活センターは、消費者にとって、最も身近な相談窓口である。このセンターが十分に機能していくことが、消費者行政の第一歩と考えている。

消費生活センターがどのように機能しているのか、その実績についてお伺いしたい。あわせて、特に、最近のレストラン等での表示問題や農薬の混入事案について、消費生活センターがどのような役割を果たしているのかお伺いしたい。

山崎史郎消費者庁次長
消費生活センターは、消費者からの相談に対し適切な助言を行うとともに、必要な情報の提供等を行っている。さらに事業者と消費者との間に生じた苦情、紛争に関して専門的知見に基づき、あっせんによりその解決を図ったり、相談の中で得られた情報を活用することにより消費者被害の未然防止、拡大防止を図るといったことを任務としている。まさに消費者にとって最も身近な相談窓口である。平成24年度においては、消費生活センターを含む消費生活相談窓口が受け付けた相談件数は約95万件、あっせん件数は約7万件である。最近の食品表示等の問題や農薬の混入事案については、消費生活センターでは情報提供や相談等を実施している。例えば、食品表示等の問題に関しては、景品表示法等に係る情報提供を行っている。アクリフーズ群馬工場の農薬混入事案に関しては、自主回収対象商品等に関する消費者への情報提供や、消費者からの健康被害や該当食品を保有する場合の対処方法等に係る相談への対応において、重要な役割を果たしている。


2.相談の窓口
(2)食品表示110番の状況
山田
関係省庁との連携も重要だが、市民に対する相談や情報提供の窓口として、地方農政局に「食品表示110番」が設置されている。これを十分に活用すべきだと思う。これがどのように機能しているのか、その実績、特に最近のレストラン等の表示問題でどのような役割を果たしたか伺いたい。

小林裕幸農林水産省消費・安全局長
食品表示110番は、地方農政局や、その出先機関の地域センターに平成14年から設置している電話窓口だ。1つ目の機能は、食品の偽装表示あるいは不審な表示に関する情報を受け付けていること。その情報を活用して、食品表示の監視、取締りなどを行っている。2つ目の機能は、消費者や食品事業者から食品表示に関する相談、問合せを受け付け、必要な情報提供を行うことだ。年間2万件ほど対応をしている。外食のメニュー表示の件では、昨年10月以降のメニュー表示問題があり、様々な情報提供、問合せがある。この食品表示110番で答えることができるものは答えている。しかし消費者庁等関係機関に情報を伝えることが必要なものについては、その都度、迅速に情報を伝える機能を果たしている。


 

3.食品表示Gメンの活動実績・成果
山田
消費者行政の中で、重要な分野は「表示の適正化」だ。表示の企画立案は消費者庁が実施しているが、食品表示については、農林水産省の食品表示Gメンが小売店舗などを監視している。食品表示Gメンの活動がどのような成果をあげているのか、まず伺いたい。

小林裕幸農林水産省消費・安全局長
食品表示Gメンは、先ほどの110番と同様に、地方農政局及びその出先機関に配置しており、現在約1,300名いる。食品事業者への立入検査(年間約2万7,000件)、食品表示110番への対応(年間約2万1,000件)、さらに事業者への周知活動ということも行っている。これらの活動の結果、不適切な表示がある場合には、不適切の程度にはよるものの、文書による指導(年間約500件)や大臣名での指示、公表(年間約20件ほど)を行っている。さらに、表示に関しては都道府県も権限を持っている為、都道府県に対して必要な情報提供を行うという活動も行っている。

山田
食品表示Gメンが果たしている役割は極めて重要だ。現在1,300名だが、今いる人員を活用しながら食品表示の適正化に向け、食品事業者への監視機能を効果的に発揮させていくような取組が重要だと考えるが、どのように対応するのか伺いたい。

小林裕幸農林水産省消費・安全局長
食品表示の実態については、食品表示110番や食品表示Gメンの効果もあり、不適正な表示率はここ数年低下してきている。平成21年には生鮮食品の場合、不適正な表示率が15.2%だったが、24年には3.8%に低下している。また加工食品の場合には、21年度の18.1%から24年の9.8%に低下している。しかし、まだなお不適切な表示は存在しており、場合によっては、悪質な不正表示もある。そういった中で、限られた人員で効率よく監視をする必要があると考えている。そのため、食品表示Gメンの監視においては、科学的知見を有効に利用する必要があり、独立行政法人農林水産消費安全技術センターなどによる科学的分析を活用することが1つ有効な方法であると思う。2つ目は、監視をする際には、できるだけ重点的に、偽装の起きやすい業種や品目を重点的に監視すること、さらには、消費者庁、都道府県など関係機関と十分連携を取ることに留意して、効率的に有効な監視をしていきたいと考えている。


 

4.昨今のレストラン等の表示問題
(1)ガイドラインの検討状況
山田
昨今、ホテルや百貨店、レストラン等のメニュー、料理の表示に関して、実際に使われている食材と異なる表示が行われていた事例が相次ぎ、表示に対する信頼が大きく損なわれた。この事態に対処するため、今国会で、「景品表示法改正案」が提出され、今後本委員会でも議論される予定である。そして、この法改正とともに重要なのが、具体的な事例について考え方を示すことだ。Q&Aなどを含めたガイドライン(「メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方」)について、昨年12月にパブリックコメントを求めた。この「ガイドライン」の(案)は、大変わかりやすく、有意義であると思う。その一方で、外食産業にとって、過度の負担をかけるような基準が示された場合、外食産業が安定的に良質な料理を提供することに支障が生ずる恐れもある。いずれにしても、十分な検討の下、すみやかに結論を得て公表すべきと思うが、どのような状況になっているのか伺う。

菅久修一消費者庁審議官
本ガイドラインだが、食品表示で問題となった事例等を取り上げつつ、メニュー、料理等の食品表示に関する景品表示法上の考え方を整理し、事業者の予見可能性を高めることを目的として作成している。本ガイドラインについては、昨年12月から本年の1月27日までパブリックコメントを実施した。また、同じく1月27日には意見交換会も開催したところだ。さらに、事業者団体等からも直接御意見をいただき、いただいた御意見を十分検討して、策定を進めてきた。現在、成案公表に向けた作業のある意味最終段階である。なるべく早くお示ししたいと考えている。
4.昨今のレストラン等の表示問題
(2)普及についての消費者庁の取組み方針
山田
様々な関係者の意見もあると思うので、それらを十分に踏まえて速やかに成案を公表していただきたい。ただこの「ガイドライン」は制定しただけでは不十分である。これをホテル、百貨店、レストラン等にしっかり普及していくことが大事だと思っている。今後の消費者庁の取組みを伺いたい。

菅久修一消費者庁審議官
ガイドラインの成案を得た後、その普及啓発を行うことは、事業者の景品表示法に関する理解や予見可能性を深め、景品表示法の違反を未然に防止する観点から非常に重要であると考えている。消費者庁としては、従来から、食品表示に関する景品表示法の説明会など、積極的に対応してきた。またガイドラインの成案の公表後においても、引き続き説明会に積極的に参加、対応していくことにしたいと考えている。また、平成26年度の先駆的プログラムも活用し、ガイドラインの理解を促進するための映像、画像等のコンテンツの開発等の都道府県の取組を推進していくことや、併任発令を行った食品表示Gメン等による巡回調査の機会も活用するなど、関係機関との連携を通じて更にガイドラインの普及啓発を進めていきたいと考えている。消費者庁しては、ガイドラインの成案を得た後の普及啓発の為に、これらの取組による食品表示等の適正化に万全を期してまいりたいと考えている。

4.昨今のレストラン等の表示問題
(3)平成17年の原料原産地表示のガイドラインの普及状況
山田
今日のレストラン等における表示の問題に関連して、外食産業において、これまで取り組んできた原産地表示について、その現状について伺う。平成17年7月に、外食産業における原料原産地表示すなわち、○○県産、外国産などの表示の仕方についてガイドラインを作成した。このガイドラインにそった表示がどの程度行われているのか、わかっている範囲でお答え願いたい。

山下正行農林水産省食料産業局長
外食における原産地表示に関するガイドラインは、消費者の外食に対する信頼を高めるために平成17年7月に作成された。策定以降、パンフレット等を作成し普及を図り、外食事業者の自主的な原産地表示の取組を推進してきた。外食事業者においても、ガイドラインを参考に、メニューやボード等で原産地表示に取り組んできた。外食における原産地表示の実施率は、外食事業者関係団体の調査結果によると、平成22年度では、大手事業者は事業者ベースで93.4%、中小事業者については、同様に事業者ベースで73.0%という実施率になっている。

山田
平成17年に定めた原産地表示のガイドラインは、相当程度に普及していると評価している。現在、準備中の新しいガイドラインの普及についても、外食産業を所管する農林水産省の役割は極めて重要と考えており、消費者庁とも連携し、しっかり取り組んでいただきたいと思う。


5.アクリフーズ農薬混入人事
(1)再発防止策、特に業界に対する指導

山田
株式会社アクリフーズ群馬工場が製造した加工食品への農薬混入事案は消費者の食への信頼をゆるがすものだ。この再発防止策については、政府全体で取り組む必要があると思うが、今後どのような取り組みを行うのか伺いたい。また、特に業界の指導について、今後どのような方向で検討を進める方針なのか伺いたい。

山崎史郎消費者庁次長
アクリフーズ農薬混入人事のような再発防止の取組が大変大事になっており、関係省庁が十分連絡し、政府全体で取り組む必要があると考えている。このため、関係省庁が参加した消費者安全情報総括官会議を開催し、本事案の再発防止に向け、冷凍食品への農薬混入事案を受けた今後の対応パッケージを取りまとめたところだ。具体的には、この問題については、事業者、さらに業界等において、消費者からの信頼を維持、確保するための措置が大変大事になってくる。政府としては、そういった対応を促すという趣旨から様々な取組を進めている。具体的には、食品の安全性等に関する各種情報提供だ。例えば毒性に関する各種指標や、食品の安全性等に関する検査機関のリストといったものも含んでいるが、こういった情報を整理した上で事業者に対して情報提供をしている。事業者の対策を促していくことや、事業者による食品防御等の取組について検討すること、さらに消費者からの健康被害等の相談情報に関して、事業者から保健所への届出、相談の在り方の検討といった取組を関係省庁が連携して実施していく所存だ。

5.アクリフーズ農薬混入人事
(2)リコール情報の周知

山田
このような事案が生じた場合に、リコールの情報が十分に消費者に届いていないという懸念がある。リコール情報の周知徹底をさらに進める必要があると思うが、どうか伺う。

山崎史郎消費者庁次長
本事案を始めとして、安全面に問題がある等の理由でリコールが行われた場合は、消費者に対してしっかりとリコール情報を周知させることが重要だ。このため、消費者庁では、リコール情報の周知強化に取り組んでいるところだ。具体的には、消費者庁リコール情報サイトで、当該商品の写真を掲載したり、メール配信サービスを通じた情報発信等を実施している。また、地域での取組として、平成26年度においては、地方消費者行政活性化基金等を通じ、地域におけるリコール情報の周知強化等も推進していきたいと考えている。

山田
2つほど最近起こった事例についてお伺いした。消費者行政においては、突発的な案件に対してしっかりと速やかに対応するということが非常に重要だ。このような観点からも、消費者庁だけでなくて、関係機関としっかり連携をとり、周知徹底させていくためには、いろんな機関の協力を得ながら、あるいは司令塔としての機能をしっかり果たしながら対応していく必要があると思う。これからも司令塔としての役割を果たしながら、関係機関と連携を取り、様々な問題に対応していっていただきたいと思う。


6.消費者政策における国際連携

山田
消費者行政については、国内対策のみならず、国際的対応も今後ますます重要になると考えている。賢い消費者が途上国において増加することは、その国の発展にとって基本的に重要であるだけでなく、良質の生産物を輸出することのできる我が国の産業にとっても有益である。また、国境を越えて製品が流通し、不正な取引行為も国境を越えるものが増えていく。消費者行政もこのような国際化の進展に対応していく必要がある。しかしながら、消費者庁の国際対応体制は不十分ではないかと思う。経済企画庁・内閣府当時は、国際担当部局も充実していた。しかし、消費者庁となった現在、国際問題に十分に対応できる体制を整備すべきと考えるが、伺いたい。

山崎史郎消費者庁次長
経済のグローバル化やIT化に伴い、国境を越えた取引に伴う消費者被害の対応は大変大事な課題と認識している。現状、消費者庁の方でも関係省庁や関係機関と連携し、外国関係機関と適宜情報共有を行っている。例えば国境を越えた取引に伴う消費者トラブルに関しては、平成23年11月に越境消費者センターを開設し、4か国2地域の関係機関の協力を得て、我が国の消費者からの相談を受け付けている。このセンターに関する相談件数は増加しており、開設から累積すると7,000件を突破している状況だ。加えて、OECDを始めとする国際的な枠組みにも参加し、情報交換を行っている。さらにベトナムの消費者保護行政の強化に関する技術協力等も行っている。今後、このような取組は更に強化する必要があり、消費者庁全体の組織の在り方を含め、消費者行政のレビューを行っていく方針だ。その中でこういった国際的な対応についても、十分検討していきたいと考えている。